北朝鮮が日曜早朝、また弾道ミサイルを発射した。今月4回目、今年に入って7回目という異常なペースだ。

狙いは「イランとの差別化」だと専門家は見る。韓国の元大統領安保顧問キム・ギジョン氏は「イランと違って我々には自衛能力がある、と示す意図がある」と分析した。米国とイスラエルがイランを攻撃して7週間。核開発を進めてきたイランが空爆を受ける姿を、金正恩は注視しているはずだ。

潜水艦発射の可能性

ミサイルは北朝鮮東海岸の新浦(シンポ)付近から発射され、約140キロ飛行して海上に落下した。新浦には潜水艦と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試験設備がある。北朝鮮が最後にSLBMを発射したのは2022年5月で、そのときは600キロ飛んだ。

日本政府は「朝鮮半島東岸付近に落下したとみられ、日本のEEZ(排他的経済水域)への落下は確認されていない」と発表した。韓国大統領府は緊急安保会議を招集し、「国連安保理決議に違反する挑発行為」として北朝鮮に即時停止を求めた。

核開発も「非常に深刻」な進展

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は水曜日、北朝鮮が核兵器製造能力で「非常に深刻な進歩」を遂げたと警告した。新たなウラン濃縮施設が追加された可能性があるという。3月末には金正恩自身が「核保有国としての地位は不可逆的」と宣言し、「自衛的核抑止力」の拡大が国家安全保障に不可欠だと語った。

トランプ米大統領と韓国の李在明大統領は、金正恩との対話に繰り返し意欲を示してきた。李大統領は最近、韓国側からのドローン侵入について北朝鮮に遺憾を伝え、平壌から異例の称賛を受けた。だが対話ムードが漂う中でのミサイル発射だ。

「米韓との対話に入る前に、先制的に圧力をかけ、力を誇示する狙いもある」

キム・ギジョン氏はそう指摘する。対話の準備と威嚇の二面作戦。北朝鮮の挑発がいつ止まるのか、見通しは立たない。