「わざと壊れやすく作ったら懲役2年」。フランスが世界に先駆けて衝撃の法律を施行した。
スマホやPC、家電の耐久性を意図的に落とす「計画的陳腐化」を刑事犯罪と定めた。違反した企業の責任者には最大2年の禁錮刑、法人には**年間売上高の5%**という巨額罰金が科される。
狙い撃ちにされたのはハードだけではない。ソフトウェアのアップデートで端末の動作を遅くする手法も処罰対象だ。2017年から18年にかけて大問題となった「バッテリーゲート」事件——スマホメーカーがバッテリー劣化を隠すため、意図的に処理速度を落としていた——がきっかけになった。あの手口が今後フランス国内で発覚すれば、経営幹部が刑務所に入るリスクを負うことになる。
「修理する権利」との連携
この法律は単なる罰則ではない。フランスが推し進める「修理する権利」政策の中核を担う。製品を長く使えるよう設計させ、壊れたら直せる仕組みを義務化することで、電子ゴミの削減と消費者保護を同時に狙う。
日本でも「2年ごとにスマホを買い替えるのが当然」という空気があるが、それは企業に仕組まれた消費サイクルかもしれない。年間売上高の5%という罰金水準は企業にとって無視できない。仮に売上1兆円の企業なら500億円規模の制裁になる。これまで「わざと壊れやすく作って買い替え需要を生む」ビジネスモデルで稼いできたメーカーは、設計思想そのものの転換を迫られる。
フランスの強硬姿勢は、世界のテック企業への明確なメッセージだ。使い捨てを前提にした製品設計の時代は終わりつつある。
