ジェフ・ベゾスの宇宙会社ブルーオリジンが、大型ロケット「New Glenn」の再使用に初成功した。開発開始から10年超、打ち上げはわずか3回目。イーロン・マスク率いるSpaceXを追撃する切り札がついに実用段階に入った。

成功したのは日曜日のミッションだ。11月に打ち上げた機体と同じブースターを使い、AST SpaceMobileの通信衛星を宇宙へ送り届けた。打ち上げから約10分後、ブースターは海上のドローン船に着陸。2度目の回収も成功させた。

ロケットの再使用は宇宙ビジネスの経済性を左右する。SpaceXが世界の軌道投入市場を支配できたのは、Falcon 9ブースターを何度も飛ばせるからだ。1回使い捨てと10回再使用では、単純計算でコストが10分の1になる。ブルーオリジンも同じ土俵に立とうとしている。

NASAの月面ミッションも視野に

ブルーオリジンの野心はこれだけではない。New GlennでNASAの月面ミッションを担いたい考えだ。さらに自社とアマゾンの衛星ネットワーク構築にも活用する計画がある。すでに商業衛星の打ち上げは2回成功しており、11月のミッションではNASAの火星探査ロボット2機を軌道に送り出した。

ベゾスとマスク、2人の富豪が宇宙で激突する構図が鮮明になってきた。SpaceXは再使用技術で先行し、Starlinkという衛星インターネット網も軌道に乗せている。ブルーオリジンは長らく「開発中」のイメージが強かったが、New Glennの再使用成功で状況は変わりつつある。ispaceやSpace Oneなど日本の宇宙スタートアップにとっても、米国の技術競争の行方は業界全体の方向性を左右する重要な動向だ。

宇宙ビジネスの勝者は、最も安く・速く・確実に宇宙へモノを届けられる企業だ。ベゾスがマスクの背中を捉えるまで、あと何回の打ち上げが必要か。2026年の宇宙開発から目が離せない。