イラン外相が「海峡は開放されている」と発表した翌日、革命防衛隊が商船2隻に発砲した。政府と軍が真逆の行動を取る異常事態だ。
イラン革命防衛隊(IRGC)は停戦期間中で初めて、ホルムズ海峡を航行中の少なくとも2隻の商船に実弾を撃ち込んだ。通過を試みていた船舶には反転を命じ、「船が動けば標的にする」と警告を発信している。外相の発言からわずか1日で、軍が外交を力でひっくり返した形だ。
政府と軍の亀裂
今回の混乱は、イラン国内で進む権力闘争を白日の下にさらした。開戦以来、革命防衛隊は政府への支配を着実に強めてきた。政治指導者層が対外的に融和姿勢を見せても、軍部強硬派が実力で覆せる構図が鮮明になった。
外相が「開放」と言い、翌日に軍が「閉鎖だ」と発砲する。世界の石油輸送の約2割が通る海峡で、同じ国の政府と軍がまったく逆のことをやっている。市場が動揺しないほうがおかしい。
核兵器の開発疑惑がくすぶる国で、政府が分裂している。文民統制が効かない軍が、世界経済の急所を握っている。この組み合わせがどれほど危険か、説明の必要はないだろう。
